パノラマ写真作成講座
1 はじめに
2 一般手順

3 パノラマ写真 撮影法

4 パノラマ写真 結合法

5 画像重ね合せ テクニック
 5.1 重合せ時テクニック
 5.2 境界部分の修正方法 
  5.2 続き
 5.4 建築物等 の結合法
6  360°画像作成法
 6.1 計測ツール使用法
画像角度・幅 計測ツール
参考情報
 ・レンズの収差
 ・遠近法と パノラマつなぎ写真

 


2001.11.26 追加


 6.1 360°全周画像計測ツール使用法

  6.1.1 計測ツールの目的

   360°画像は最初と最後の高さが同じことが必要です。 画像が一周したつなぎ目で段差が無いようにするためです。
  また撮影した画像を丁度一周分の幅に切り出す必要があります。
   今まではこのために、Photoshop のラインツールと情報タブで傾きを測定し、カーソルの位置で画像ポイントの座標を測定し、
  幅を求めていました。
  しかし、角度計測単位が 0.1°のため分解能が不十分で、これ以上の精度を出すため何回か0.01°設定で回転しては合わさり
  具合を調整していました。
  この作業は思いの外手間が掛かるので、このツールを作成しました。

  6.1.2 計測ツール使用法

  1) 計測ツールにジャンプします。 ツールは こちらから

 下図のような操作画面が出ます。


 @ は、計測するファイル名を入力するウインドウです。初期値に C:\My Documents\ が入っています。
   例えばファイル名が sample.jpg の場合

   計測したい画像を My Documents フォルダに置いた場合、この後にファイル名を追加します。
   ( C:\My Documents\sample.jpgとします。 )
   その他のフォルダの場合は フルパスでファイル名まで書き直します。例えば C:ドライブの下の temp フォルダに目的のファイルが
   ある場合
   C:\temp\sample.jpg のようにします。

   このガイダンスのため Cの部分に「画像のファイルネームをフルパスで入力し、画像表示ボタンを押して下さい」が表示されています。

 2) @のファイル名を入力したら A画像表示ボタンをクリックして下さい。 すると sample.jpg の画像が表示されます。
   Cのガイダンスには 「下に表示される360度の左右の同一点を選んでカーソル先端を合わせ、クリックして下さい
                 No1 左右同一の点の [[ ←←左側 ]]を指示して下さい 」 と表示されます。

  画像の左右の同じ点 サンプルの場合の 
A点をクリックします。

  最初に表示されている領域にA点が無かったら 画像移動ボタン D で 目的の点を表示してクリックして下さい。

  この時 スクロールバーは使用しないで下さい。 もしバーを使用し画像を移動すると正しい画像位置が検出できません。

  元画像ではかなりぼんやりしている可能性があるので、出来るだけピクセル単位で識別しやすい点を選びます。

 3) 一周の同一点の 左側の点をクリックして下さい。

  サンプル画像のA点の画像例は  のようです。ピクセル単位ではっきり識別できる点を慎重に選んで下さい。

  目的の点がボタンやガイダンス文字等で隠れている場合は、移動ボタンで位置を変えて下さい。
  矢印1つで小移動、2つで大移動します。目的のポイントが現れるまで使い分けて下さい。
 
 4) 
A点 をクリックすると その位置が記憶され Cのガイダンスには 「No2 左右同一の点の [[ 右側→→ ]]を指示して下さい」
   と表示されます。
    A点と同様に 画像の360°の右側の 
B点 をクリックしてください。
   この場合画像の B点はかなり右にありますので →→ ボタンを繰り返し押し、目的の位置を表示します。
   ボタンの応答が少し遅い可能性がありますので、その場合は少し(2秒くらい)時間をあけて押して下さい。

 5) すると測定結果が表示されます。
   表示に例えばテスト画像で 
A点 と 赤の線のB点 をクリックすると下記のように表示されます。

X1= 41 , Y1= 232      
X2= 1162 , Y2= 210
回転角度= 1.07°  時計方向 (右回転)
画像幅 = 1120 ピクセル ;回転後切出幅

現在の画像
幅 = 1200pic
高さ= 100pic

   X1,Y1は A点 のポイント座標
   X2,Y2は 
B点 のポイント座標
   (スクリーン上の座標)です。

 回転角度= 1.07° は 
A点 と B点 の傾きです。 これをメモするかウインドウでの表示を見ながら 画像をこの値分回転します。
符号が −(マイナス)の場合は 反時計方向(左回り) 符号無し:正 の場合は 時計方向(右回り)に回転補正します。

 画像幅は、回転補正後の 
A点 と B点 間の画像幅の計算結果を表示しています。この値を切り出しの幅として利用します。

参考までに現在の画像の幅、高さも表示しています。


 6) 以上の操作を練習するために テスト画像を用意しました。



    Bのテスト画像表示ボタンをクリックするとテスト用の画像を表示します。 
A点 と B点 このツールの動作確認と、
   クリックの練習にお使い下さい。


     
A点 と B点 を正確にクリックすると B点 の線の交点の色により以下の結果となります。
    線の色   角度      幅
    赤色 :  1.07°  1120ピクセル
    黒色 :  0.00°  1120ピクセル
    黄色 : −1.59°  1120ピクセル
    緑色 : −2.20°  1121ピクセル
  となります。

 以上の計測結果を利用し 画像の傾き補正、360°幅の切り出しに利用して下さい。


 7) 測定の原理

  @ 結合した画像のイメージを 青色の元の画像の外形として表しています。

  A このツールで 丁度360°に当たる左右の同一点 A、Bをクリックすると
    画像の傾き角度 θと、 切り出し画像の幅 W (線分 AB)のピクセル数を表示します。

  B AB が同一点ですから 画像では水平に写っているべきで、元画像に対し、図の角度 θ 傾いていることになります。

  C このツールは A,B点の座標 それぞれ (Xa,Ya)、
(Xb,Yb)を クリックした位置としてプログラムが検出します。

    この座標から 傾き θ = atan((Yb-Ya) /(Xb-Xa)) として計算しています。

  D 切り出し幅は下図のように線分AB ですので 下式のようにピタゴラスの定理で求まります。

  

  E 元画像を角度θ回転すると、元の画像はオレンジ色の位置になります。
 (この図は元画像を基準に描いているので斜めになっていますが、表示では水平になっています)

  F この状態でAB間の幅 W、適正な高さで切り出すと赤色の切り出し画像の外形となり、360°画像ができます。

 8) その他
   画像の2点の傾き計測、画像の高さ、幅測定にも利用していただけます。

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