パノラマ科学館  我が家のミニ・ソーラー発電システム

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    [1] 構想検討編
 目次 [1]構想編  [2]システム設計編  [3]特性測定編  [4] 製作編  [5]技術情報編 [ 7]参考情報編  [9]その他
 

 1 目的

  1.1  災害時、停電対応


    ・ 非常灯点灯、最低限の照明・小電力(DC12V)を供給する
     これにより、ラジオ、ワンセグテレビ等の利用、携帯電話・電池等の充電を行えるようにする
    ・ ソーラー発電でバッテリーに常時充電し、その電力で賄う
     非常時は車のバッテリーと直結で充電可能とする。
    今後他の発電方法も検討追加
   ・ 廊下・階段の常夜灯は停電時の非常灯としても有効。

  1.2 アウトドア電源

    ・ 小型携帯バッテリーを持ち出し、照明・携帯電話やカメラの電池充電に利用する ( 従来から一部実施中 )
     カーナビのアナログテレビが視聴不可となったので、ワンセグテレビ利用
     小型携帯バッテリー付属の照明をLED化 ( 現在自動車用電球 )

  1.3 省電力 ( 実質的経済効果は小さいが、気持ちの問題として )

   ・ 常夜灯 通常時: 居間のダウンライトの一部、寝室  来客時: 廊下・階段の常夜灯

  1.4 趣味としての電気工作

   ・ 上記最終目的を達成するだけでなく、過程での検討、工作、測定等を趣味の一環として楽しむ
   ・ エコ工作室のホームページ記事掲載

 

 2 容量の検討

    負荷を想定し ソーラーパネルとバッテリーの容量を決定する。

   2.1 負荷:選定した照明用LED

   非常用・小電力電源として、照明の電力量を算出する。

   別途、LED照明の予備テストを行い、LED機種と必要な照度・消費電流を求めた。
   LEDは12Vで点灯できるものとして、ルームランプが多く出回っているが、
   車パーツ専門店と比較し、秋月電子の方が機種が多く、割安なので数種類購入しテストした

 表2.1 選定・テストしたLEDと仕様 ( 全てのLEDを見るには、小フレーム内を縦スクロールしてご覧下さい )


   2.2 使用電力量算出

   毎日使用する電流と点灯時間から電力量を算出。充電等での利用は余剰電力で行う
   通常の生活での消費電力量と、来客時、廊下・階段の小常夜灯点灯時の検討

 表2.2 負荷の仕様と使用状態

   負荷 電流A  オン時間 消費電力量 Ah 器具
No.
備考
常時 来客時
 2F寝室 時計照明 0.01  22:00〜7:00 0.09 0.09  3 常夜灯
 1F居間 テレビ上ダウンライト 0.35  18:00〜23:00 1.75 1.75  1 居間の在室時 小照明
 階段室 0.06  20:00〜7:00   0.66  2 常夜灯
 1F廊下 0.06  20:00〜7:00   0.66  2 常夜灯
 2F廊下 0.06  20:00〜7:00   0.66  2 常夜灯
   合計 0.54  − 1.84 3.82    

   2.3 推定充電電流率

  ・ ソーラーパネル出力を求めるため、1日の発電量を計数として算出する
   Gallery 41 サイトさんに見せていただいた1日の発電量経時変化データからイメージとして算出
   ソーラーパネルの設置を固定位置とし、一日の太陽の方向と傾きによる出力の比率推定値
   1時間ごとの値を合算すると、晴天時に1日の充電できる電力が求まる。

 表2.3 推定充電電流率
時刻
8 0
9 0.1
10 0.4
11 0.6
12 0.65
13 0.7
14 0.65
15 0.4
16 0
合計 3.5h

 晴天比率 0.4 と仮定し 常時の電力を賄うには、パネル出力電流 Ipは
 Ip = 1.84 / ( 3.5 * 0.4 )
  = 1.31 A
  となる。

  本来、ソーラーパネルの出力電流、の効率・実力の計数低減を
  行うところだが、推定充電電流率で大きく低減して調整し計算した。

 ソーラーパネルの出力電流 1.31A以上のものを選定する。
 通常ワット表示では 12V * 1.31A = 13.2W以上。

 動作させ、測定してから解ったことだが...
 チャージコントローラによっても利用可能電力が異なってくる。
 購入した物はPWM方式。
 スイッチングレギュレータと同様入力と出力では効率を別とし電力一定と思っていた。
 しかし、チャージコントローラのPWM方式とは、電流制限での流通角制御だけのようである。

 従って上で算出した出力と、ソーラーパネルの定格は、電力でなく電流で求める必要がある。
 一般的にソーラーパネルの出力は定格電圧( 12Vタイプで 17V程度 )と電流の積で表される。
 例えば30W と称するパネルは 17V、 1.8A程度で、
 前述のようにPWMチャージャーでは電流 1.8A x 12Vでの出力 21.6Wとなる。

 PWMコントローラの場合 ソーラーパネルの必要容量を計算すると 1.31A x 17V = 22.3W となる。

 一方、出力電圧 x 電流の電力を12Vに一定電力で充電する MPPTコントローラ(Maximum Power Point Tracker) と言うものがある。
 一般的にPWMコントローラより高価だが、ソーラーパネルの利用効率を考えると、特に大きな電力の場合にはMPPTを使用すべきだろう。

   2.4 ソーラーパネルの選定

 先に求められたソーラーパネルの必要な出力電流 1.31A 電力は 1.31A * 17V = 22.3W 以上のものを購入する

 表2.4 ソーラーパネルの仕様

 項目 器具 備考
 型式  OPSM−SF1025 多結晶シリコン  30W多結晶ソーラーパネル 12V
 開放電圧(Voc)  21.6V  21.6V
 短絡電流(Isc)  1.53A  1.83A
 最大出力時電圧 (Vmp)  18V  17.28V
 最大出力時電流 (Imp)  1.39A  1.74A
 最大出力(Pmax)  25W  30W ( 実測 39W )
 寸法  540 x 445 x 30mm  678 x 413 x 26mm
 重量  3.2kg  3.4kg
 価格  9,850円  11,000円
10  販売店  秋月電子通商  YMT Energy
11  メーカー  OptoSupply
12  備考  逆流防止ダイオード、ケーブル 0.5m?
 IP65
 逆流防止ダイオード、ケーブル 8m
 表面:強化ガラス 完全防水
 期待寿命 25年
13  外観  

  2機種の候補他を検討結果 YMT Energyの 30Wタイプに決定

   2.5 バッテリー必要容量算出

   バッテリーの容量 Ahb としては
  晴天比率 0.4としたが、5日間連続して雨天が続くと仮定し、
  この間 発電量ゼロでも蓄電するための容量を必要とし
  Ahb = 1.84 * 5
     =  9.2 Ah
   10Ah以上の容量に余裕を持って設置することとする。
   先ずは 大きく余裕を持ち、主バッテリー 22Ah + 携帯型の既存 7Ah + 8Ah とする。

  バッテリー容量は、ソーラーパネルの出力電流が、バッテリーの充電電流適正値を超えないよう注意する必要がある。
  ( 小さすぎるバッテリー容量に 大出力のソーラーパネルを使用するとバッテリーの寿命等に影響がある。
   通常、バッテリー容量のアンペア・アワー値はソーラーパネル最大出力の10倍以上とする )
 


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