荒川・長瀞 カヌーツーリング No.165
   親鼻〜樋口 2014.4.26 (土)

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 荒川・長瀞を下るのは13回目。
 今までの10回はオーソドックスな親鼻からスタート。ゴールの樋口まで 7.8km。
 更に上流から下ってみたいと、皆野、黒谷和銅からそれぞれ1回ずつ下ったことがあった。
 皆野・親鼻間 2.1km、 和銅・皆野間 2.7km、和銅から樋口まで 12.6km。

 今回更に上流から下ってみようと計画。
 ソロで電車回送なので秩父鉄道の駅から最寄りでスタートできる河原に容易にアクセスできる場所を探すと
 秩父公園橋から樋口まで 19.1kmとロングコースになる。
 この間の平均勾配は 100mあたり 0.5mとそれなりの傾斜もある。
 水量さえあれば楽しめ、航空写真からも人工物など気になるポイントも、1個所を除き問題無さそうだ。

 御岳を漕いだ後 秩父に向かい、川沿いの道を探しながら事前偵察を行い実行した。

 それまでの水位は親鼻観測所で1.6mの日が続いておりマアマア水もある状況。
 前日のスカウティング時、秩父からも十分な水量があると感じられた。
 しかし、帰宅後調べてみると 親鼻 1.4mと、なんと20cmも急に低下していたのだった。

 調べてみるとやはり 上流の滝沢ダムの放水量が前日 11トンあったのに、夜半から当日は2.2トンにまで下がっていた。
 どうりで、何度も下っている区間での水量の感覚は1.6mにしては少ないと不思議だった。


 滝沢ダムの放流量が変化してから約4時間で親鼻水位が減少するのが明白だ。
 ダムから親鼻までの川の流路は概略42km、流速にすると時速10kmになり、上流域の流速が速そうなのが解る。

 今回のケースでは貯水率が80%を割った時に放流量を減らした。
 今後のケースや降雨量の影響を含めて検証し、貯水率からも水量を予測することが出来るかもしれない。
 今後は滝沢ダムの放水量も注意してみよう。
 

 荒川 (1) 栗谷瀬橋 〜 樋口   ( )内は下流からの順

 多数下った区間

 
* 傾斜 100mあたり平均 単位[m]:精度は概略
 

 場所 距離
 km
標高
 m
傾斜
 *
 記事
  スタート 皆野中北側 0 129 0.1  秩父鉄道 親鼻駅から1km徒歩20分
  ヤナの瀬 0.6  
  親鼻橋 1.1 128  
  秩父鉄道橋梁 1.6 0.15  鉄橋下の瀬 
  セイゴの瀬 1.9  
  左カーブ コーナー 2.1  
  小滝の瀬 2.4 126  
  岩畳のはじまり 2.6 ---  
  ライン下り発着場 3.1 126  長瀞駅300m
  白鳥荘二股の瀬 3.6 0.15  
  金石水管橋 4.4 122  
  キャンプ場前の瀬 4.6 0.5  
  サイコロ岩 5.1  
  高砂橋 5.2 120  
  遊船のゴール 5.5 0.12  
  クツナシの瀬 5.6  
  ドビーの瀬 6.5  
  国対コース入口の瀬 6.9 115  
  岩田の瀬 7.2 0.89  
  旧二股の瀬 ゴール 7.8 110  樋口駅200m
  全体平均 7.8 差19 0.24  
 
 荒川 (2) 和銅黒谷 〜 栗谷瀬橋 . 

 一度または二度下ったことがある区間
. 

場所 距離
 km
標高
 m
傾斜
 *
 記事
  和銅大橋 0 156  
  和銅大橋下流のスタート 0.42 154  秩父鉄道 和銅黒谷駅から500m徒歩5分
  新皆野橋 1.8 147 0.5  
  皆野橋 2.7 142 0.56  皆野駅800m
  栗谷瀬橋 4.6 129 0.3  
  スタート 皆野中北側 4.8 129  下距離表に続く
  全体平均 4.8 差27 0.56  
  樋口まで通算 12.6 差46 0.37  

 


 荒川 (3) 大野原 〜 和銅黒谷
 
 右地図(4)から続き、秩父橋(左下)が重複
 右上、和銅大橋で 右上地図(2)に続く

 航空写真で 太平洋セメント秩父工場の西、秩父オートキャンプ真南に、クッキリした不自然な白い波の列が2本。
 堰か滝か要注意ポイントとして認識

 キャンプ場から事前調査、ポーテージも視野に入れて実施
 
.  
 荒川 (4) 秩父 〜 大野原

 スタートは中央下、秩父駅西北西方向の道路の秩父公園橋

 右上の秩父橋から左地図(3)に続く

 地図の赤四角枠は、航空写真である程度の瀬と思われる所をマーキング
 初漕艇区間は印刷して持参し確認しながら下った。

 

場所 距離
 km
標高
 m
傾斜
 *
 記事
 秩父公園橋 0 188  秩父駅西1.4km 
 秩父橋 2.4 182 0.25  
 水道橋? 3.9 168 0.93  秩父オートキャンプ場西
 和銅大橋 6.3 156 0.50  影森駅西北西600km
 全体平均 6.3 差32 0.51  下距離表に続く
 樋口まで通算 19.1 差78 0.41  


 朝早起きしたので6時20分に秩父公園橋の真下にデポ。
 下流の武鼻橋手前
 

 6:50 樋口のゴールに車を置く。
 電車はほぼ30分間隔、6:50樋口発の時間で間に合わないと諦めたが、今日は土曜日でダイヤが異なるのを忘れていた。 樋口駅に着くと丁度目の前で出発。
 

 次の電車まで30分。 いつも気になっていた寛保年間の洪水位標を見に行くことに。 この塀は長瀞第2小学校。
 この裏山にあるとのこと
 

 小学校の裏に回ると道案内があり、5分も掛からず到着

 石碑と保護の柵に囲まれていた
 道路から5mほど登ったところにあり、この一帯の平地は水没したのであろう事が想像される。

 寛保洪水位磨崖標案内
 

 岩に掘られた 「水」の文字。
 

 

 7:21樋口発の電車で 7:50 秩父駅到着、540円

 秩父駅前の道を真っ直ぐ先に秩父公園橋がある。
 立派な吊り橋だ。 タクシーにしようか迷ったが 意外に近そうに見えたのと下り坂なので歩いていくことに。
 

 秩父公園橋の手前の信号を南西に曲がる。
 橋が美しい。「秩父ハープ橋」とも呼ばれ全長約530m。
 8:15 デポしておいた場所に到着。駅から25分。
 

 8:40 準備完了

 すぐに武鼻橋
 

 最初の浅い所を引っ掛かりながら通過し振り返る

 この付近は川底が「鬼の洗濯板」状で2m程度の間隔で横一線に盛り上がった岩が並んでいる。
 中でも通過できそうな場所を探しながら下る
 

 横を眺めた状態。 一列に波が立つ岩の盛り上がった所
 浅い川底が洗濯板状を下る 動画

 

 ナント、擁壁より突き出した建物。こんな光景は初めてだ
 

 袋状の金網に玉石を詰めた水制。
 通常は岸に沿って設置されているが、ここでは流れに直角;横に設置されている。 恐らく川底の岩に固定されているのだろう
 

 自然の岩だが、これも水制として使われている →

 岩に穴を明け、ワイヤで川底に固定されている
 初めて見た光景。 川底が平らな1枚板のような岩なので固定できるのだろう
 

 「鬼の洗濯板」を通過しホット一息。振り返ると武甲山
 

 9:10 秩父橋が見えてきた。
 その手前がまた「洗濯板」のようだ
 

 

 ここの「洗濯板」が一番難儀した。
 3m進んでは引っ掛かり、揺らしたり回したり漕いだり、諦めて降りたりを繰り返し50m


 9:20 にっくき「洗濯板」 やっと抜け上流を眺める。これじゃ、水が多くないと下れません。
 この50mほどを通過するのに10分掛かってしまった
 

 [ 前日偵察写真 ] 引っ掛かり難儀した「洗濯板」。左岸側が良いかもと思いながら忘れていた。


 秩父橋をくぐる。下流に同名の(旧)秩父橋。


 [ 前日偵察写真 ] (旧)秩父橋は歩行・自転車専用だ。 上流方向
 

 秩父橋を通過し左に曲がった先に ポンプ場の石積みがある。 正面が太平洋セメント秩父工場
 

 [ 前日偵察写真 ](旧)秩父橋から下流方向

 また「洗濯板」だが、流れが狭いので引っ掛からず進めた

 オシドリ。たくさん見かけるが警戒心が強く飛び立ってしまうのでやっとピンぼけながら一枚
 

 とうとう来ました、危険ポイントのポンプ場。慎重に進む
 

 

 9:35 右の茶色がポンプ場の取水口。
 水を集めるために斜め一列に石を積んでいるのだ。
 

 上流は瀞場のようだが流れのあるところもあるので注意
 できるだけ手前で上陸。念のためスカウティング

 2重四角枠で囲んだ部分がポンプ場の位置。
 秩父オートキャンプ場の真南だ
 

 事前に見ていた航空写真。
 明らかに普通の瀬ではない2列の白波
 


 スカウティングした全景。 
横幅が長いので、横スクロールしてご覧下さい。
 大したことがないように見えるが、積んである岩は50〜60cmあるのでストレーナとなっており大変危険
 


 スカウティングした拡大図。 
横幅が長いので、横スクロールしてご覧下さい。
 


 [ 前日偵察写真 ]  川幅一杯 一列に岩が置かれており危険なストレーナーだ。


 [ 前日偵察写真に漕艇ルートを付記 ] 右岸寄りは下れると判断。当日もスカウティングしてから下った。

 ポンプ場の堰を下る 動画

 

 9:46 ポンプ場の石積みを下り終え振り返る。ホットする。
 

 すぐに橋のようだが通行用では無さそう

 振り返ると武甲山
 

 

 右岸に地層が顕わになった大きな岩。
 この付近は太古の時代は海底だったが隆起したとのこと。なんとなく地球の長期の活動を感じ取れる風景だ。
 川底も「洗濯板」
 

 またまた「洗濯板」だが、水が集まっているので楽しい

 ダイサギ。
 

 和銅大橋が見えてきた
 

 10:20 横瀬川合流。秩父鉄道の橋梁が見える

 これが「洗濯板」の一部。
 この岩は斜めになっている

 和銅黒谷の以前スタートした地点。
 これで、新規の区間が終わり既知なので安心だ。
 

 振り返ると武甲山が正面。和銅大橋

 そういえば和銅からすぐに右岸のテトラポットの列があったのを思い出した。
 

 皆野秩父バイパスの新皆野橋

 10:42 新皆野橋
 秩父鉄道のSLが親鼻橋梁を通過するのが11:38?頃
 ここまでに間に合うかどうか気にして進んでいたが、まだ距離があり諦めてノンビリ下ることに
 

 左岸に昨日入浴した「凡の湯」 アルカリ泉でツルツル
 秩父周辺に何カ所かの温泉があるが 私はここが一番好きだ。
 

 

 クロサギ? 5mほどだが意外とこちらを見ても平気だった
 

 少し警戒して3mほど飛んだ

 10:55 皆野橋。この右岸からもスタートしたことがある
 

 

 小さな「洗濯板」通過。 
 

 左写真の「洗濯板」航空写真。
 最初に下ったときはこれを見て、どんな状況か解らず心配しながら進んだが様子も解り安心
 

 「洗濯板」通過時 真横から
 

 

 またもや同じ所で大規模な工事をやっていた
 

 工事用仮橋。

 11:20 青く美しい栗谷瀬橋
 ここから15分、頑張ればSLに間に合うか...という気に

 栗谷瀬橋。歩道橋にハイキングの一団か。
 大勢のギャラリーの注目を浴びてしまった
 

 いつもスタートする皆野中北側
 

 11:32 親鼻橋。なんとかSLの姿を見ることが出来るか

 想定していたより5分ほど通過が遅く間に合った
 

 鉄橋下を通過
秩父鉄道 SL通過と 鉄橋下からコタキの瀬を下る 動画


 

 セイゴの瀬
 

 セイゴの瀬

 今日は暖かく土曜なので遊船も頻繁に出ている
 

 遊船に続いてコタキの瀬に突入
 今日はロングコースなのでストレートに下る

 12:30 いつも土産に甘納豆を買う大沢屋さんに立ち寄る。
 試食を気前よく置いてあり、今日は外国人もいろいろ試していた
 

 遊船の船着き場も観光客で初めて見る賑やかさ。
 

 12:45 スタート。白鳥荘二股の瀬

 白鳥荘二股の瀬。エディに入り遊船を待ち構えて撮影


 13:05 高砂橋、サイコロ岩と遊船


 13:43 ゴールが見えてきた


 13:46 ゴール。 今日はロングコースでサーフィンなどやらずにストレートに下ってきたが、
 余力が残っていたのでシュート下でサーフィンを何度か愉しんだ
 

 撤収して遅い昼食は楓庵で。
 ざる蕎麦大盛りと かき揚げ。美味しかった。 
 

 
 ・ 念願だったロングコースを楽しめた。

 ・ 秩父から前半は「洗濯板」の岩に引っ掛かることが多く、コース取り変更と脱出に労力が要り少々疲れた。

 ・ 秩父オートキャンプ場の南にあるポンプ場の石積みはストレーナーとなっており右岸側のみ通過可。
  大きな岩の間を勢い良く流れが吸い込まれているので大変危険だ。

  1段目を通過後浅くなり岩に引っ掛かり回され、中央寄りに移動し2段目の落ち込みをクリアした。
  注意深くスカウティングし、水位などの状況でポーテージも簡単にできるので無理しない方がよい。

 ・ コースの前半は流れの幅が広いところが多く「洗濯板」の岩の個所が次々現れるので、
  ある程度の水位がないと歩くようだ。
 今回の水位では(親鼻1.4m) 完全にライニングダウンレベルは秩父橋手前までで2個所のみ。
 前日までは水位1.6mあったので少し残念

 ・ 親鼻までの間、軽い瀬も時折あり、完全な瀞場は距離にして2割程度だが短く、他は流れもあるので楽しめた。
  浦山口からも下れるようなので、いつかトライしてみたい。
 

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